はまっこ司法書士・行政書士の法務日誌

横浜駅そばで相続・遺言・家族信託を専門に取り扱う筆者の備忘録です。

戸籍に載らない相続人④〜戸籍訂正の許可〜

こんにちは。

ブログは主に移動中の電車内で書いているはまっこ司法書士行政書士です。誤字脱字は気づいたときに直してるので許してほしいと切に願っております😚

 

さて、前回の続きです。父親違いの姉弟を繋ぐ唯一のツール「母親の戸籍」の記載が間違ってた件の完結編。

まさか母親の名前が間違ってるとは‥。

色々と検討したけど、やはり間違っている戸籍を直さないと始まらなさそうな感じです。

間違っている戸籍は、北海道内の町と神奈川県内の市で、いずれの担当者からも「職権では直せません。家裁で訂正許可をもらって頂くしか直す方法はないでしょう。」と言われてたし。ついでに、各担当者からは「今回の対象者(依頼者であるAさん)が、申立人の要件を満たしてるかはわかりませんけどね。」と釘を刺されていました。

もしかしてできないのか??

 

そこで、戸籍訂正の許可申立というレアな手続きについて調べることにしました。

確か5年ほど前に福岡で働いていたときに、有志の勉強会で「名の変更の許可申立」(キラキラネームを付けられたりして社会生活に問題が出そうな場合の改名等)について少し勉強した程度で、「一生やることない手続だろうなぁ。」なんて思ってたけど、こんなに早く、しかも訂正をやることになるとは‥😅

 

で、戸籍訂正の許可申立ができるのは、

①当該戸籍の記載につき身分上又は財産上の利害関係を有する者

②当該戸籍の届出人

③当該戸籍に記載された本人

のいずれかに該当する人で、訂正すべき戸籍のある地の家庭裁判所に申し立てをすることになります。

役所の人たちが言っていたのは、①の利害関係を有するかよくわからないとのことでした。ですが、相続関係を立証するためという点で利害関係はあるだろうし、もし無いと判断されても③に該当するので申立人にはなれるはず。

あとは、全ての戸籍を直すには、神奈川の家裁だけではなく北海道の家裁にも申立をしなければならないのか?という問題。呼び出しの可能性がゼロで無いことを考えるとできれば避けたい‥なにせ「北海道はでっかいどう!」な上に、北海道の中でも東の方の家裁ですから🗾

調べてみると、法務省による下記見解を見つけまして、神奈川の家裁で済みそうとの結論に至りました。根拠条文もあるし大丈夫だろう。

管轄をまたぐ複数の戸籍の訂正を要する場合には,一部の戸籍についてのみ管轄を有し,他の戸籍について管轄を有していない裁判所に対し,併合して戸籍訂正許可の申立てをし,当該裁判所において自庁処理をすることとして併合審理をすることができるものと解される(家事事件手続法第9条第1項ただし書,第49条第3項)。

また、神奈川県内の役所に確認したところ、許可の審判がされた後にその役所に審判書と確定証明書を添付して申請すると、その役所で戸籍を訂正した後に北海道内の町役場にも連絡をしてくれて、そっちの訂正もしてもらえるとのこと。これは有難い😌

その他も色々と調べまして、「これだけ調べたので大丈夫だろう。家裁の許可が出れば役所はその通り直してくれるだろうし!」と思って意気揚々と申し立てを行いました。ちなみに、合計で6つの戸籍を訂正するため、自分史上最長の請求の趣旨になりました。

 

しかし、しばらくすると家裁の担当書記官から連絡が入り、「これ(請求の趣旨)って役所に確認してます?裁判所的にはアナタの申立通り審判出すことはできそうだけど、役所がこの通り直してくれるとは限りませんぜ。」との話がありました。

え?そうなの?😨

家裁>役所かと思ってたのに。

急いで役所に連絡をすると、色々と制約があるらしい。担当の女性がとても良い人で、その人にとっても初めての経験ながら細かい部分まで調べてくれまして、家裁やら法務局と連絡をとってくれて色々と教えてくれました。

家裁の担当書記官の人も、北海道の役場に確認をしてくれたり、柔軟に動いてくれて大変助かりました。みんな「これはヤバい案件だ」と思ってくれたのかもしれません。

なお、本来であれば申立書に証拠書類としてAさんの出生届の写しを添付したかったのですが、北海道の役場から発行できないとの回答がありました。Aさんからすると「なんで自分の出生届を出してもらえないんだ?」という話ですが、出生届には戸籍に記載されている以上の情報が載っているため無理とのこと。裁判所からの嘱託であれば出せるとの話だったので、書記官の人に伝えて直接取得してもらいました。

 

その他にも細々とした問題がありつつも、請求の趣旨を何度か訂正したり上申書をつけたりして、結果、無事訂正許可の審判がされたのでした。私の準備不足を露呈しましたが、何とかできて良かった😅

そして、その後速やかに各役所で戸籍の記載も訂正されました。訂正作業自体は早くて、それぞれの役所で1〜2週間程度だったかなぁ。

関わった皆さんには本当におんぶにだっこの状態で、みなさんの優しさで何とか解決しました。心から感謝しております。ありがとうございました😌

 

ってことで、無事戸籍訂正の問題は解決です。

今後同じようなことがあるかはわからないけど、忘れられない貴重な体験と勉強をしたはまっこ司法書士行政書士でありました。

そして、専門職の皆様におかれましては、このような案件を受任した場合は、まずは各役所に請求の趣旨を確認してから家裁に申立をするようにしてください。家裁も役所も多分経験のないことなので、事前確認が非常に大切になります。

その際に私の経験が参考になれば幸いです。

 

戸籍の間違いシリーズは今回で完結です。次回は何を書こうかな‥。

今回も長文にお付き合い頂きありがとうございました😄